健康note-2

○エリタデニン
コレステロール低下に
米は私たちの重要な栄養源ですが、精米過程で取り除かれ
る米ぬかや玄米の成分に、さまざまな機能性があるとわかり、
注目されています。その一つがイノシトールです。
エリタデニンとは?
 食用きのこは何千種類もありますが、エリタデニンを含むのは、シイタケと
マッシュルームだけです。不思議なことに、アジアと欧米で最もポピュラーな
きのこにしか入っていないのです。ただマッシュルームは、シイタケの70〜
100分の一程度なので、シイタケ特有の成分ということになります。
エリタデニンの機能性は?
 実はすでに40年ほど前に、シイタケのコレステロール低下作用がラットの
実験で明らかになり、その成分がエリタデニンだと判明しています。しかし、
どのような機構でコレステロールを低下させるのかはよく分かっておりませ
ん。それで、その作用機構を明らかにする研究を行っているのです。エリタ
デニンは、コレステロールを包み込んでいる血漿(けっしょう)リポタンパク質
のリン脂質の脂肪酸組成を大きく変化させます。その結果、コレステロール
が肝臓などに取り込まれやすくなり、血中コレステロール濃度が低下する
可能性があるようです。
エリタデニンの人に対する作用は?】
 30年近く前ですが、実際に人でも生シイタケを毎日90g、乾燥シイタケで
9gを食べ続けると、血中コレステロール濃度が10%程度下がったという報
告があります。とはいえ、この量のシイタケを毎日食べ続けるのは無理な
ので、日本きのこ研究所が通常の4〜6倍もエリタデニンを含むシイタケを
作りました。これをラットに食べさせたところ、血中コレステロール値が下が
ったことを確認しています。
そのほかの作用は?】
 血中のコレステロール低下は、動脈硬化予防につながります。エリタデニ
ンにはコレステロール低下のほかにも、2つの作用があると考えています。
1つは、動脈硬化の危険因子といわれているホモシステインというアミノ酸
があるのですが、この血中濃度の上昇をエリタデニンが抑制します。もう1つ
は、血液凝固作用をもつプロスタグランジンを作るアラキドン酸の生成を抑え
るので、血液が固まりにくくなるのです。これらはまだ動物実験ですが、エリ
タデニンは動脈硬化の危険性を下げると考え、研究を続けています。
参考料理
キャベツとシイタケのあえもの
<材料>(4人分)
キャベツ…5枚、生シイタケ…6枚、油揚げ…1枚、だし汁、酢、しょう油、
練りワサビ、砂糖
<作り方>
@・キャベツはしんを取り除いて適当な大きさにちぎり、ポリ袋に入れて500W
  の電子レンジで1分加熱する。
A・生シイタケは石づきを除く。オーブントースターで焼き、4等分に裂く。
B・油揚げはざるにのせて熱湯を回しかけ、固く水気を絞る。オーブントースタ
  ーで薄く焼き色がつくまで2〜3分焼き、食べやすい大きさにちぎる。
C・ボウルにだし汁大さじ2、酢大さじ1 1/2、しょう油小さじ2、練りワサビ
  大さじ1/2、砂糖小さじ1/2を合わせ、@ABを軽くあえる。
D・器にCを盛る。
◆キャベツの代わりに白菜を使ってもいい。
◆練りワサビの代わりに粗く刻んだいりゴマを加えてもおいしい。
◆熱量48kcal、タンパク質3g、脂質2g、塩分0.5g