健康note-2

○エリオシトリン
証明された抗酸化作用
エリオシトリンとは?
 レモンといえばビタミンCの代名詞でしたが、数年前に新成分が見つかりまし
た。お茶の水女子大学生活環境研究センター長の近藤和雄さんが、最近、そ
の成分の機能性を明らかにしました。
 その新成分とは、エリオシトリンという、ポリフェノールの一種です。レモンや
ライム特有の成分で、オレンジやグレープフルーツなど、ほかのかんきつ類に
はほとんど含まれていません。この成分に、人での抗酸化作用があることが
わかりました。
エリオシトリンの抗酸化作用
 抗酸化作用ならなら、ビタミンCではと考えられていたのですが、まず、レモン
果汁を12人の男性に飲んでもらったところ、1時間後に血液中の悪玉LDLコレ
ステロールが酸化されにくくなっていました。ところが、レモン果汁と同量のビタ
ミンC溶液で実験したら、抗酸化力はあまり変化しなかったのです。
 レモン果汁には、ビタミンC以外の抗酸化成分がありそうだということです。
それがエリオシトリンです。人の血液を使って実験をしてみました。すると、レモ
ン果汁の抗酸化力も、エリオシトリン溶液の抗酸化力も、ビタミンC溶液の約2
倍でした。この実験から、エリオシトリンに抗酸化作用があることが証明された
のです。
健康面でレモンは赤ワインやココアの仲間入り
 実は、このような抗酸化食品は、文明が生き延びるために昔から人々が選ん
で食べてきたもので、『食品文明論』とでも呼びましょうか。例えば抗酸化食品
であるワインは、メソポタミア、エジプト、地中海を経て、イタリア、フランスで根
付いたのです。
 レモンもオリーブとともにインダス文明、中東、ヨーロッパの地中海沿岸地方
に渡りました。今でも特にレバノンでは、日本の20倍以上も消費されています。
 日本では、お茶と大豆製品ですね。このほか野菜や魚も上手にとっています
が、今後は、基本的な日本食にレモンなど世界各地の抗酸化食品を取り入れ、
健康的な生活を送ってほしいです。
参考料理
レモンムース
<材料>(4人分)
レモン…1・1/2個、粉ゼラチン(5g)…1袋、牛乳…160cc、生クリーム…1/2cup、
卵白…1個分、ピスタチオ(むき実)…適量、グラニュー糖
<作り方>
@・レモンは半分に切り、果汁を搾る(正味量60cc)。皮は薄くそぎ、細切りにする。
A・粉ゼラチンを水大さじ1・1/2にふり入れ、しばらくおく。
B・鍋に牛乳、グラニュー糖大さじ1 2/3を沸騰直前まで温め、火から下ろして
  Aを加え混ぜ、こす。
C・ボウルに生クリームを入れ、泡立て器で八分立てに泡立てる。
D・別のボウルに卵白を泡立て器で角が立つまでしっかりと泡立て、グラニュー糖
  大さじ2を加えてさらに泡立てる。
E・別のボウルにBを入れて底を氷水に当てながら混ぜ、粗熱がとれたら@を加えて
  混ぜ合わせ、とろみがついてきたらCDを順に加えてさっくりと混ぜ合わせる。
F・器にEを等分して流し入れ、冷蔵庫で冷やし固めて、ピスタチオと残りの@をのせる。
◆レモンの果汁を搾るときは、半分に切る前に台の上で押しつけながら転がし、
やわらかくしておくとよい。
◆熱量131kcal、タンパク質3g、脂質9g、塩分0.1g