健康note-2

○DHAドコサヘキサエン酸
高齢者の脳機能改善
DHAについて
 「魚を食べると頭がよくなる」と注目のDHAドコサヘキサエン酸。子供の脳の発
達を促すだけでなく、脳の老化やアルツハイマー型痴(ち)呆(ほう)症など、高齢者
の疾患とのかかわりもあるようです。
 魚の油の主成分で、人では脳に最も多く存在します。体の総司令部といえる脳
に直接込める限られた物質で、とても重要なものです。
 アルツハイマーとの関係ですが、アルツハイマー型痴呆症になって死亡した人
の脳は、DHA量が通常の半分以下だったという報告や、魚を多く食べていると
発症率が低いという疫学調査があります。また、患者は発症以前よりも偏食や
小食になり、特に魚を食べる機会が減ってしまうため、肉や植物油に含まれるリ
ノール酸などに比べ、DHAの摂取が少ないという栄養調査もあります。
DHAにはどのような効果が?
 アルツハイマー型痴呆症患者が、DHAの魚油カプセルを六カ月間摂取したら、
症状がやや改善したと報告されています。また、私たちの研究では、痴呆症で
はない高齢者の脳機能も改善しました。DHAは痴呆症の予防改善の可能性が
あり、高齢者全般の脳機能の維持向上に有効だということです
精神疾患とのかかわりもある?
 鬱(うつ)病や統合失調症の改善の可能性が世界的に注目されています。また
心理的なストレスからイライラし、攻撃的になって“キレる”ことを“敵意性”という
のですが、小学生、大学生や五、六十歳代の実験で、敵意性が低下しました。
これは、アルツハイマー型痴呆症患者の過℃の興奮、怒りっぽさ、暴力化など
の症状緩和につながると期待されています。
視力とのかかわりがある?】
 高齢者の白内障、緑内障による視力低下を改善したという報告があります。こ
れらは、網膜や視神経の機能が向上するためと考えられています。
DHAの食べ方は?
 刺し身、焼き魚、干物、缶詰…。何でもかまわないので、一日一回、魚を食べ
てほしいですね。毎日は無理という人は、DHAの多いマグロのトロ、ブリ、サバ、
サンマ、イワシを選んで食べるとよいでしょう
参考料理
サンマの香味焼き
<材料>(4人分)
サンマ…4尾、長ネギ…2本、長ネギ(みじん切り)…大さじ3、いりゴマ(粗ずり)…大さじ2、
ニンニク(すりおろし)…大さじ1、塩、しょう油、酒、砂糖、サラダ油(塗り用)
<作り方>
@・サンマは頭、内臓を取り除き、水洗いして水気を抑え、長さを半分に切って塩小さじ1
  をふり、20分おく。
A・長ネギは1cm厚さの斜め切りにする。
B・バットにしょう油大さじ4、酒大さじ3、砂糖大さじ1 1/2を合わせて長ネギ(みじん切り)、
  いりゴマ、ニンニクを加え混ぜ、汁気を抑えた@を入れて30分漬ける。
C・耐熱容器に薄くサラダ油を塗ってAを敷き、軽く汁気をきったBを並べてホイルでフタ
  をする。
D・170〜180℃のオーブンでCを15分焼いてホイルを取り除き、オーブンの温℃を220℃
  に上げて、さらに焼き色がつくまで10分焼く。
◆サンマの内臓が苦手な場合は、半分に切った切り口から割りばしなどを差し込んで取り
除き、腹の中を水洗いして水気を丁寧に抑える。
熱量318kcal、タンパク質17g、脂質22g、塩分3.4g