健康note-2

○ルテイン
目の健康維持に重要
ルテインとは?
 広く野菜に含まれる黄色の色素成分で、カロチノイドの一種です。中でもホウレン草
やケールなどの緑黄色野菜に多く、マンゴー、パパイアといった黄色い果物にも含ま
れます。また、鶏卵の黄色もルテインで、鶏の餌のルテインが卵へ移行したものです。
更に、このルテインが存在するところには、ゼアキサンチンというカロチノイドもわずかな
がらあり、トウモロコシには比較的多く含まれています。これらは私たちの体にとって、
とても重要な働きをしています。
具体的には?】
 ルテインとゼアキサンチンは、人間の目の網膜に特に多いカロチノイドです。これらが
不足すると、黄斑(おうはん)変性症という症状の発症リスクが高くなることが疫学調査
でわかっています。これは、網膜中心部の黄斑という光のあたる部分に変性が起こり、
物がかすんだり、暗い斑点が見えるというものです。アメリカでは40歳以上の人の失
明の主原因になっており、最近では、日本でもこの罹患(りかん)率が高くなってきてい
ます。このほか、ルテインとゼアキサンチンが白内障のリスクを下げることもわかってお
り、実際に罹患者がホウレン草を食べ続けた結果、改善されたという報告もあります。
つまり、ルテインとゼアキサンチンは目の健康を保つのに重要な成分なのです。
がんとのかかわりは?】
 南太平洋諸島のフィジー島では、ほかの島々と喫煙率は変わらないのに肺がん罹患
率が低いのです。調べてみると、マンゴー、ホウレン草、インゲン豆などルテインに富む
食品を食べており、血中ルテイン濃度が高かったという疫学調査があります。また私た
ちの研究では、ルテインとゼアキサンチンそれぞれが、皮膚の発がんプロモーション(促
進)を抑制し、さらにルテインは大腸がんの前がん病変を抑制する効力があることが、
動物実験でわかっています。今後、ホウレン草のルテイン、ミカンのβ−クリプトキサン
チン、トマトのリコピンの混合物を用いて、大腸発がん抑制のための臨床試験も視野に
入れています。
参考料理
ホウレン草とコーンの揚げギョーザ
<材料>(6人分)
ホウレン草…1袋 ベーコン…3枚 スイートコーン缶詰(クリーム・240g)…1/2缶
ギョーザの皮…大18枚 塩、コショウ、小麦粉、黒コショウ(粗びき、バター、揚げ油
<作り方>
@・ホウレン草は根元を切って塩少量を加えた熱湯で茹で、冷水にとって水気を絞る。
  1cm幅に切って、さらに固く水気を絞る。
A・ベーコンは5mm幅に切る。
B・フライパンにバター大さじ1を熱してAを炒め、脂が出てきたら@を加えて炒め合わ
  せ、塩、コショウ各少量で味を調える。
C・耐熱容器にスイートコーンと小麦粉大さじ1強、塩小さじ1/4、黒コショウ少量を混ぜ
  合わせ、ラップでフタをして500Wの電子レンジで1分30秒加熱する。
D・CにBを加え混ぜる。
E・ギョーザの皮にDの1/18量をのせて縁に水適量をつけ、ひだを寄せながら包む。
  残りも同様にする。
F・170℃の油でEを色よく揚げる。
G・器にFを盛り、塩適量を添える。
◆具に水分が多いので、揚げた後、しばらくおいておくと皮がしけってくる。食べる直前
に揚げるのがポイント。
◆熱量231kcal、タンパク質4g、脂質15g、塩分1.0g