健康note-2
○β−クリプトキサンチン |
がん抑制効果に期待 |
【β−クリプトキサンチンとは?】 冬の果物といえばミカンですが、最近、健康、特にがん予防とのかかわりが脚光を 浴びています。かんきつ類のだいだい色の色素で、カロチノイドの一種です。ミカン1個 に1〜2mmgあり、これほど多く含まれるものは他にありません。人の血中にも存在し ますが、体内では合成されないので、ミカン由来の成分と考えられています。 |
【がん予防効果がある?】 皮膚と大腸での発がんプロモーション(促進)抑制効果が動物実験で明らかになって います。しかもこれは、人に換算すると1日1〜2個程度に当たる低濃度で観察された 効果なので、人へのがん予防にもかなり期待されているのです。 |
【人での研究は?】 まず、血中のβ−クリプトキサンチン濃度をみると、大腸に腫瘍(しゆよう)がある人は 低いことがわかっています。次に、京都府民1800人のうち、ほとんど毎日ミカンを沢山 食べている人たちは、ほとんど食べていない人たちよりも高濃度でした。それで、この 沢山食べている人たちを20年間追跡調査し、大腸がんの発がん率を見るのです。今 年でまだ4年目ですが、この人たちの発がん率が低ければ、介入試験にます。大腸 がんになる可能性の高い人たちにβ−クリプトキサンチンをとってもらい、発がん抑制 効果が証明できたら、初めて人に対しても有効だといえるのです。これにも5年はかか るので、確かな結果は21年後に出るということになります。(※2003年現在) |
【効果を期待しながら食べてもいいのか?】 今までのデータは、人でのがん予防効果を指示しているので、十分期待できるもの です。しかも1日2個程度ならば、食べておくのも悪くはないでしょう。β−クリプトキサ ンチンは過剰症がなく、食べだめもできます。冬に沢山食べておくと皮膚に蓄積され、 夏場に血中に溶け出すのです。また、加工すると吸収がよくなるので缶詰やジュース もお勧めです。最近では、高濃度のβ−クリプトキサンチンのジュースもあるので、利 用してみてもよいでしょう。 |
【参考料理】 豚ロース肉のミカン煮 <材料>(4人分) 豚ロース肉(7mm厚さ)…350g、ミカン…11個、ニンニク…4かけ、長ネギ…1/2本、 酒、しょう油、塩、コショウ、サラダ油 <作り方> @・豚ロース肉は酒大さじ1、しょう油小さじ2、コショウ少量で下味をつける。 A・ミカン1個は皮をむいて丁寧に薄皮を取り除き、残りは果汁を搾る(正味量2cup)。 B・ニンニクは縦半分に切る。 C・長ネギは4cm長さに切り、軽くつぶす。 D・中華鍋にサラダ油大さじ1を熱してBCを薄く色づくまで炒め、取り出す。 E・Dの鍋にサラダ油大さじ1を熱して@を両面色よく焼く。 F・EにDを戻し入れ、Aの果汁と酒大さじ2、しょう油小さじ1、塩、コショウ各少量 を加えて一煮立ちさせ、アクを除きながら中火で汁気が少なくなるまで25分煮る。 塩、コショウ各少量で味を調え、火から下ろして残りのAを加え、一混ぜする。 ◆ミカンの果汁を搾る代わりに、市販のミカンジュースを使っても。甘みが強い場合 は、レモン汁などで酸味をプラスするといい。 ◆熱量339kcal、タンパク質18g、脂質21g、塩分1.2g |