健康note-2

○カプサイシン
胃の粘膜保護作用も
カプサイシンとは?
 トウガラシ特有の辛み成分で、“ホット”といわれるカーッと熱い感覚を引き起こ
します。コショウやショウガもホットですが、カプサイシンが最も強い辛みをもちま
す。最近、このカプサイシンの受容体が、人で見つかりました。
 受容体とは、辛みを感じるセンサーで、熱いという感覚を伝える温度センサーと
同じだとわかりました。人の皮膚は45度以上だと熱いという感覚とともに痛みも
感じ、その温度センサーが辛みにも反応するのです。受容体は体中にあり、指は
鈍感なのでトウガラシを触っても平気ですが、敏感な目や腕の内側のやわらかい
部分ではピリピリします。
辛みや発汗のほかの機能性は?
 まず、高齢者の誤嚥ごえん改善です。物を飲み込みにくい人が改善されたと報告
され、治療用に研究されています。それから、胃の粘膜保護作用があり、薬も出
ています。胃の粘膜保護の神経が、カプサイシンに反応するのです。でも、トウガ
ラシだけを大量に食べると、神経が強く働きすぎてしばらくまひするので、ほかの
物と一緒に食べることが肝心です。
ダイエット効果は?】
 油の多い高脂肪食をラットに与えて太らせた実験では、確かに脂肪がつきにくく
なりました。エネルギーの消費を高めるようです。ただ、人でははっきりとした効果
が出にくいのと、この実験では一回に十gものトウガラシを与えているので、より少
ない量でも検討しています。また、辛くないトウガラシの利用も考えられますね。
 辛くないトウガラシとは、京都大学の矢澤進教授が十年ほど前に、辛みがほとん
どできないトウガラシを作ったので、私たちが主要成分の構造を決定し、カプシエ
イトと名づけました。マウスの実験では、基礎代謝が上がり、体脂肪の蓄積抑制
はカプサイシンと同じぐらい強いという報告もあります。辛くないうえ、人にも期待
できそうなので、食品メーカーではカプシエイトを含んだ食品の商品化を目指して
いるようです。
参考料理
鶏肉と枝豆のラー油炒め
<材料>(4人分)
鶏ささ身…6本 枝豆(さや付き)…200g ジャンボピーマン(黄)…1/2個
酒、塩、コショウ、しょう油、砂糖、ラー油(手作り)
◆ラー油
長ネギ(青い葉)…1本分 ショウガ…1/2かけ 赤トウガラシ…10本 サラダ油、ゴマ油
<作り方>
@・鶏ささ身は筋を取り除いて1.5cm角に切り、酒大さじ1/2、塩、コショウ各少量で
  下味をつける。
A・枝豆は塩もみをして熱湯で固めに茹で、水気をきってさや〜取り出す。
B・ジャンボピーマンはへたと種を取り除き、1cm角に切る。
C・中華鍋にラー油大さじ1を熱して@を炒め、肉の色が変わったら取り出す。
D・Cの鍋にラー油大さじ1/2を熱してABを炒め、Cを戻し入れて酒大さじ1、
  しょう油小さじ2、砂糖、塩、コショウ各少量で調味する。
◆ラー油
@・長ネギ(青い葉)は長さを半分に切る。ショウガは薄切りにする。赤トウガラシは
  種を取り除き、長さを半分に切る。
A・鍋にサラダ油1/2cupと@を入れ、弱火で4〜5分加熱して長ネギとショウガを
  取り除き、さらに中火で薄く煙が出るまで加熱して火〜下ろし、粗熱をとる。
B・Aにゴマ油1/4cupを加え混ぜる。
◆熱量155kcal、タンパク質17g、脂質7g、塩分1.0g