健康note-2

○α−カロチン
高い発がん抑制効果
カボチャのα−カロチン
 カボチャは、冬至に食べる風習があるため、冬野菜だと思われがちです
が、旬は夏です。このカボチャの色素はカロチノイドで、がん予防に効果が
あるといわれているβ−カロチンが有名です。実は最近、βよりもα−カロ
チンの機能性が見直され、注目されています。
カロチノイドとは?
 カロチノイドは、カロチン類ともいわれ、自然界に最も広く分布している色素
群の一つ。赤、黄、だいだいなどの鮮やかな色〜褐色、無色も含め、現在
確認されているだけでも六百種類以上もあります。その代表的なものが、
β−カロチン、α−カロチン、リコピンなどです。
α−カロチンとは?】
 αもβも、ニンジンやカボチャなど緑黄色野菜に含まれ、構造的にもほとん
どそっくりです。ただ、動物の体内に吸収されると、βは二分子のビタミンA
に変換されますが、αは一つだけです。さらに、食品中のαの量はβの半分
ということもあり、ビタミンAとしての効力はβが高いのです。しかも、βに発が
ん抑制効果の可能性があると発表されて〜は、がんの予防因子はβ−カロ
チンだと世界的に評価され、ほかのカロチノイドは忘れられてしまったのです。
ところが、βが肺がんの発生率を上昇させるという逆の結果が出て、β神話
は崩れました。そして再び、緑黄色野菜や人の血液に何種類ものカロチノイド
があることに注目が集まったのです。われわれも、αやほかのカロチノイドに
興味をもち、マウスで実験しました。驚くことに、αは肺発がんを抑制し、βに
は抑制効果が認められなかったのです。さらに、肝臓発がんや皮膚発がんの
実験でも、αには高い抑制効果がありました。
人での効果はどうか】
 実は数年前から、α−カロチンを含むいくつかの混合カロチノイドを使った人
への臨床試験を始め、すでに終了しています。素晴らしいことにとてもよい効
果が確かめられました。
参考料理
カボチャのフライ・ラビゴットソース
<材料>(4人分)
カボチャ…1/4個、トマト…大1個、セロリ…1/3本、玉ネギ…1/3個、
パセリ…1本、ケイパー…大さじ1、卵…1個、パン粉…1cup強、
粉チーズ…1/4cup、塩、コショウ、小麦粉、酢、オリーブ油、揚げ油
<作り方>
@・カボチャは種とわたを取り除いて1cm厚さのくし形切りにし、ポリ袋に入れて
  500Wの電子レンジで2分〜2分30秒加熱し、塩、コショウ各少量をふる。
A・トマトはへたと種を取り除き、粗みじん切りにする。セロリは筋を取り除き、
  みじん切りにする。
B・玉ネギはみじん切りにする。パセリは軸を取り除き、みじん切りにする。ケイ
  パーは粗みじん切りにする。
C・パン粉と粉チーズを混ぜ合わせる。
D・@に薄く小麦粉をまぶしつけ、割りほぐした卵にくぐらせてCをまぶしつけ
  る。170℃の油で色よく揚げる。
E・酢、オリーブ油各1/4cup、塩、コショウ各少量を混ぜ合わせ、ABを加え
  混ぜる。
F・器にDを盛り、Eを添える。
◆ラビゴットソースは、ケイパーやハーブ、酢などを入れた風味のよい冷製、温製
のソース。古フランス語の“元気づける”が語源。
◆熱量370kcal、タンパク質8g、脂質26g、塩分1.0g