健康情報

●【メニエール病】について
メニエール病?】まわりがぐるぐる回ったり、ふらふらしたり、吐き気がしたり、
めまいとはとても不愉快な症状です。めまいをおこす疾患として「メニエール病」
という名前は比較的よく知られていますが、病気の状態は正確に知られてない
ようです。ちょっとしためまいで、「自分はメニエールではないか」と不安を持って
しまうケースもあります。そこで、「メニエール病」の原因、症状、治療法などにつ
いて述べてみます。
原因】内耳には中耳から伝えられた振動を音として感知する「蝸牛(かぎゅう)
という部分と、頭の動きの方向や速度を感知する「三半規管(さんはんきかん)
「耳石器(じせきき)」という部分があります。これらはつながっており、内リンパ外
リンパというリンパ液で満たされています。
 メニエール病の原因は「内リンパ水腫」といわれています。これは内リンパ液
が過剰に溜まってしまう状態で、そのため内耳が刺激され、めまいや、難聴、
耳鳴りを引き起こします。 どうして内リンパ水腫が出来てしまうのかは、まだ
はっきり解明されていませんが、最近では内耳での免疫反応が関与しているの
ではといわれています。
症状】めまいは多くの場合は回転性(周囲または自分がぐるぐる回る感じ)で
すが、ふらふらしたり、むかむかするだけの事もあります。ひどい時は起き上が
れなかったり、嘔吐してしまう事もあります。めまいの発作時には、眼振という
異常な目の動きが見られます。これはメニエール病だけでなく、他のめまい疾
患でも出現しますが、メニエール病は内耳の障害によるものなので、それを示
唆するような眼振がみられます。 メニエール病の特徴は、めまいを繰り返し、
めまいとともに、聞こえが悪くなる、耳鳴りがする、耳が詰まった感じがするな
どの症状を伴う事です。多くの場合、耳の症状が出るのは片方ですが、1割く
らい両側になる事があります。
 メニエール病の難聴の特徴は、初期には低音部が聞き取りにくくなり、発作
がおさまると聴力は元に戻る事です。しかし、発作を送り返していると徐々に聴
力が悪化して、めまいが治まっても聴力が戻らないという事もあります。
 また、「蝸牛型メニエール病」といって、めまい発作は無くても、聴力の変動だ
けを繰り返すタイプもあります。難聴、耳鳴りを伴わないめまいは、メニエール病
とは診断できません。
治療法】めまいの発作がひどく嘔吐、吐き気などがある場合は、まず安静に
させ、制吐剤、精神安定剤など投与します。経口摂取が不可能な時は点滴で
投与します。メニエール病のように内耳が原因のめまいは、症状は激しいので
すが、生命にかかわるような事はないので不安な気持ちを落ち着ける事も大切
です。発作が落ち着いている時は、内リンパ水腫に対し利尿剤を使用し、ビタミ
ン剤や代謝賦活(ふかつ)剤などを併用します。難聴の回復が不十分な場合は
ステロイド剤を使う事もあります。病気に対する不安感が強い時は安定剤を使う
事もあります。めまい発作が激しく頻回繰り返す時は、内リンパ嚢(のう)開放術
という外科的手術が選択される場合もあります。 日常生活においては、過労、
ストレスなども発作の誘因となり得ます。無理をせず、病気の事をあまり心配し
過ぎないようにして生活していく事も大切です。