戦術
■戦術
ここではサッカーの主な戦術についてご紹介します。
●トータルフットボール
トータルフットボールとは、ポジションにとらわれず自由に動いて、全員攻撃、全員守備を貫くサッカーの戦術を指します。トータルフットボールを採用する場合、個々の選手が幅広い技術を習得している必要があります。また、絶え間なくポジションを入れ替えるため、トータルフットボールを行なうには高いスタミナを持った選手が必要です。
●ポゼッションフットボール
ポゼッションフットボールとは、チーム全体でパスを回して、自チームが常にボールをキープすることで試合の主導権を握ろうという戦術です。ポゼッションフットボールは多くの強豪チームで採用されていますが、実際に行なうためには非常に高い技術が必要となります。
●ムービングフットボール
ムービングフットボールとは、人もボールも動くという趣旨に基づいた攻撃戦術のひとつです。ムービングフットボールでは、プレーヤーは試合中に頻繁にポジショニングを変え、ゲームの状況を激しく動かします。そうすることで、相手チームのプレーヤーにとって予測が難しいゲーム展開を作り出すことができます。ただし、ムービングフットボールを有効に実践するためには、ゲームの間動き続けるための運動量を支えるスタミナが必要です。 
●サイドアタック
サイドアタックとは、戦術のひとつでサイドを使った攻撃を指します。この戦術を採用する場合は、サイドに位置するウイングやサイドハーフなどのポジションに優秀な選手を配置する傾向があります。フォーメーションなどもサイドに人数を多く置いた中盤フラット形の場合が多く、チームのサイドバックにいくらかのスペースがあった際は、そこにパスを出してサイドから攻めるパターンが多く見られます。
●カウンター・アタック

カウンター・アタックとは、相手の保持していたボールを奪い、相手の守備の陣形が整う前に、相手の陣地内にボールを素早く運び、攻撃を加える戦術です。カウンター・アタックは、総合力において劣るチームが、格上のチームに対抗するために採用するケースが多くあります。

●カテナチオ

カテナチオとは、ディフェンスにおける守備の戦術を指します。多くの選手を自陣に下げて前線に数人を残し、守備を固めることによって失点を防ぐ戦術です。カテナチオとは、イタリア語で「かんぬき」を指す語であり、ディフェンスラインの後方にて左右に動くスイーパーの動きが由来で、鍵をかけたように守備が固いという意味も含まれています。カテナチオは、内容よりも結果を重視した戦術とされています。

●マンツーマンディフェンス
マンツーマンディフェンスとは、アタッカー1人に対して1人のディフェンダーがマークすると言った守備方法です。アタッカーがどこに移動しても、ディフェンダーがそのアタッカーを徹底的にマークするため、特定のアタッカーを封じる場合に有効です。しかし、ターゲットとするアタッカーがおとりとして機能し、他の選手にパスを集められるとスペースができてしまうので、臨機応変に対応をする必要があります。
●ゾーンディフェンス
ゾーンディフェンスとは、自分のポジションを離れずに、決められた位置を守る戦術です。相手の攻撃からゴールを守る際に、ボールをキープしている相手選手にディフェンダーが集まると、他の相手選手がフリーになってしまいます。これを防ぐために考案されたのが、ゾーンディフェンスです。ゾーンディフェンスをすることで、フリーの相手選手をなくし、相手のパスを封じれば、ボールを奪い返すチャンスが生まれます。
●フプレスディフェンス
プレスディフェンスとは、相手に積極的にプレッシングをかけ、ボールを奪ってポゼッション(ボールの支配率)を高めるという戦術です。最近の主流として、フォワードもプレッシングに参加し、前線でボールを奪ってカウンターアタックというものもあります。プレスディフェンスを成立させるには、ディフェンス同士の連携と、いかに相手を追い込んでボールを奪うかがポイントです。1人ではボールを奪うことは難しいですから、連携してプレスをかけることで、ボールを奪います。
●ラインディフェンス 
ラインディフェンスとは、ディフェンダーがゴールラインと平行に一直線で並び、平行なラインを保ちながらポジションを上下に移動させるゾーンディフェンスの一種です。平行なラインを保つことにより、ディフェンスの死角スペースをなくすことができます。また、相手にオフサイドをさせる、オフサイドトラップを仕掛けることもできます。ディフェンスを4人配置する、4バックのときに用いられることが多い戦術です。
●フォアチェック
フォアチェックとは、相手チームにボールを奪われたとき、前線から積極的にプレッシャーをかけ相手のスペースをなくしつつ、できるだけ相手ゴールに近いところでボールを奪い、そこから攻撃につなげようとする守備戦術のことを指します。前線の選手は大きく動くため、かなりの体力を必要とします。サッカーの試合は時間制なので、勝っているチームが時間稼ぎに自陣側でパス回しなどをすることがあり、そのような場合に、負けているチームがフェアチェックを行なうことがあります。
●リトリート 

リトリートとは、英語で撤退という意味です。サッカーでは、意図的に撤退して相手を自陣に引き込み、カウンターをするという意味で使われています。リトリートのメリットは、相手が守備を固めてしまって攻めきれないときに、相手にボールを持たして攻めさせることによって、守備の陣形を崩すことです。

 
●ゾーンプレス
ゾーンプレスとは、ディフェンスのテクニックのひとつです。あらかじめ個人個人の守備範囲を決めておくことで、自分の担当のエリアにボールが入ってきたとき、ボールを取りに行きます。このディフェンスのメリットは守備範囲が決まっているため、マンツーマンディフェンスより体力の消耗が少ないことです。また、自然と敵を囲むような形になるので、ボールを奪いやすいと言った特徴があり、現代サッカーでは基本的な技術とされています。
●オフサイドトラップ
オフサイドトラップとは、攻撃側のポジションに関する反則の「オフサイド」の状況を守備側が意図的に作り出すプレーを指します。ディフェンダーの最終ラインをコントロールすることによって、相手選手がパスを受け取ってはいけない位置になるよう仕向けます。オフサイドの反則があった場合は、違反のあった位置から間接フリーキックが守備側に与えられます。
●パワープレー
パワープレーとは、サッカーの攻撃方法のひとつです。攻撃側において、相手ゴール前に長身のフォワードを置き、ロングパスを出してフォワードが落としたボールや相手と競り合った際のこぼれ球をシュートしゴールを狙う、というものです。どうしても点が必要、という際によく取られる戦術であり、後半の残り20~10分程になった際、点数が低い方のチームがよく見せる戦術です。ゴールを決めるために前線に人数を割くため、当然守備は手薄になってしまいます。攻撃を重視しますが、一方でカウンターには弱い陣形です。
●3バックシステム 
3バックシステムとは、センターバックを3人配置するフォーメーションです。センターバックを3人配置することで中央の守りを固めることができますが、サイドの守備が手薄になるため、ウイングバックがそれをカバーする陣形になります。センターバックの3人でディフェンスラインを形成するため、オフサイドトラップをかけやすい陣形です。3バックシステムは、4バックシステムが台頭してきてからはあまり採用されなくなりました。
●スイーパーシステム
スイーパーシステムとはスリーバックの際に、2人のストッパーの後ろを1人のスイーパーがカバーするという守備の方法です。最近はディフェンスラインをフラットにしてオフサイドポジションを増やす守り方が主流になっていますから、スイーパーシステムは廃れてしまいました。スイーパーシステムが流行っていたのは1980年代後半で、日本も1990年代に採用していました。サイド攻撃に弱いことと、オフサイドトラップが仕掛けにくいのが弱点です。
●ダブルボランチ

ダブルボランチとは、ボランチを2人配置するフォーメーションのことです。4-5-1でも4-3-3でもボランチを2人置くことが多く、ダブルボランチは一般的な戦術と言えます。得点に絡むシュートは多くの場合、フィールドの中央ラインで行なわれるため、ダブルボランチにして中央を固めることで、失点を防ぐことができます。ダブルボランチの2人は、タイプの違う選手を選ぶことが多いです。

 
●アタッキングサード
アタッキングサードは、フィールドを三分割した場合、相手ゴール側から三分の一の領域を指します。自陣ゴール側の三分の一の領域はディフェンディングサード、中間の領域はミドルサードと呼びます。アタッキングサードは、ファイナルサードと呼ばれる場合もあります。アタッキングサードは、敵チームに攻撃を加える上で重要な領域です。攻撃の要となるアタッキングサードでのプレーは、ゲームの中で非常に注目され目立つものです。



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