あいねっと21
絵手紙講座
2.線を書きましょう
初心者へのメッセージ

@いい「受け手」を見つける

絵手紙は「相手がかかせてくれる」部分が大きいもの。「この人に贈りたい」という相手が
いると、自然に心がこもった絵手紙がかけます。

A実物をよく見て、大きく描く

自然の造形物をよく観察して、ひとつを大きく描きましょう。先入観や空想で描かないこと。
観察力が養われるにつれ、その人なりのいい絵が描けるようになります。

B心を込めて、ゆっくり線を引く

絵手紙は線の面白さを大切にします。筆と墨でかくのは、感情の揺れが穂先に伝わり、
心の模様がそのまま線になるからです。

C気楽に、でも真剣にかく

技術をマスターするより、感動する時間を増やすことのほうが、絵手紙には大切です。心を
動かされてかいた絵手紙は、必ず相手の心を動かします。

D描いたらスグに送る

毎回本番のつもりで集中してかきます。が、失敗しても、それはそれで味になるのが絵手
紙のいいところ。心が熱いうちにかいて、熱いうちに送りましょう。
線の魅力

@絵手紙のポイントは線
絵手紙は絵と文(言葉)と書(字)の三位一体で構成されていますが、その柱になっているの
が“線”です。つまり、絵手紙の生命は、線にあります。
ふつうの絵は形や色で見ますが、絵手紙ではむしろ、線を重視します。大切なのは、心の
内側を生きた線で表現することです。初心者に筆と墨を使ってかくよう勧めるのは、筆でか
くと心の動きがそのまま線にでるから。
筆は心の中を演奏する楽器であり、心の模様が筆の跡にハッキリ出た、力強く、のびのび
した線が、いい線だと思います。
ときには書の古典に触れ、いい線とはどういうものかを、理屈ではなく、感じとることも大切
でしょう。いい書というのは、どんなに時代を経ても、古びることはありません。特に漢時代
の書など、石に刻まれた、素朴でおおらかで、力強く安定した筆跡を見ていると、二千年
前の人々と心がつながったような気分がしてきます。こういう書に触れ、感動してから絵手
紙をかくと、おおらかな気持ちが乗り移り、不思議といい絵や字がかけます。

A絵手紙の書

絵手紙では活字のように読みやすい字を書くことを心がけます。でも、ただ読みやすいだ
けでなく、その人らしさが出ることが大切です。「書は人なり」といいますが、筆跡から人柄
や心の高ぶりが強く伝わってくるような字が、絵手紙に理想とする字です。
字が上手ヘタよりも一生懸命に書いた字、愛情が溢れている字、内側から熱いものがこみ
上げてきて書いた字は、どんなにつたなくても、人の心を動かす力があります。絵も書も大
切なのはそれをかく人の心であり、心の中をそのまま線で表現することです。
線をかく練習する

@毎日練習を

書家でもあった歌人の会津八一は、漢字は縦線と横線、曲線で構成
されているのだから、それさえ練習すればいい字が書けると考えまし
た。皆さんも毎日少しの時間でも、縦線と横線、渦巻きの線を練習し
てみては?毎日運動すれば筋力がつくのと同じで、毎日わずかな時
間でも集中してかいていると、自然に線の質も鍛えられ、誰でも自分
らしい字や絵がかけるようになるものです。

A墨色の濃さを調整

まず、硯に水を数滴入れ、青墨を磨ります。輪郭の黒色は、濃すぎる
と顔彩の色を殺してしまうし、薄すぎると締まりのない絵になるので、
ちょうどいい濃さに調整します。
筆は全部下ろして、たっぷり墨を含ませます。その方が、線に強弱が
出やすく絵の表情が豊かになります。

B筆の持ち方

いい線を引く為のコツは、筆のてっぺんを持ち、紙に垂直に立ててか
きます。筆の下を持つと、うまくかこうという意識が働きますが、てっ
ぺんを持つと、腕が震えてうまくかけないので、それだけ気持ちが筆
先に集中します。この緊張感と集中力が、常に新鮮な気持ちをうみ、
いい線をつくるのです。
線が歪んだり、かすれたり、にじんだりしますが、それがまた味にな
ります。慣れてきたら、自分流の書き方もできてくるでしょうが、最初
はこの方法で、線に気持ちをこめるとはどういうことなのかを覚えて
下さい。

Cできるだけ細く、ゆっくり
筆を持ったら肩の力を抜いて、両脇に適度なゆとりを持って構えます。
穂先に集中し、できるだけ細く、ゆっくりと、穂先の毛2、3本だけを使
うような気持ちで筆を動かします。
最初は直線を引く練習です。横線を左から右へ、右から左へと、交互
にかいていきます。縦線も同じように上から下へ、下から上へと、数
本ずつかきます。
次に曲線の練習として、渦巻きをかきます。右巻き、左巻き、外から
内へ、内から外へと、いろいろ練習します。練習では「細く、ゆっくり
と」ですが、絵手紙では太くなったり、素早く筆を走らせたりすること
が、当然あっていいのです。

筆を全部下ろし、たっ
ぷり墨を含ませる


余分な墨はペーパー
で拭う。墨が多いとつ
い早く筆を動かしてし
まうので、少しかすれ
気味がいい

筆のてっぺんを持ち、
紙に垂直に当てる

縦線と横線、渦巻きを
練習。10cmの直線を
1分くらいかけるつも
りで、ゆっくり線を引く。
一番上は早書きの線。
ゆっくりと穂先をきか
せて書いた
線のほう
が線そのものに味が
ある
ゆっくり描いているので、
線が紙にしっかり食い込
んでいる
  早く描いているので、
線がすべっている
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