●NHK『あんぱん』


  朝ドラ112作目となる『あんぱん』は、「アンパンマン」の生みの親・やなせたかしと、小松暢の夫婦をモデルにして、『アンパンマン』にたどり着くまでの紆余曲折を描くオリジナル作品。
 物語は昭和初期の高知から始まりる。足の速い少女「ハチキンおのぶ」こと朝田のぶ(今田美桜)は、幼いころから軍国少女として育つが、`終戦後に価値観が一変。自ら「何が正しいか見極める」ため、高知新聞に女性記者として就職。
 一方、柳瀬嵩(北村匠海)も出征や悲しみを乗り越え、新聞社に入社。やがてのぶと東京で再会し、二人は結婚。六畳一間の貧しい暮らしの中、のぶは前向きな支えとなり、嵩は漫画家としての道を模索しはじめる。
 二人が“逆転しない正義”を信じて進み、やがてアンパンマンの精神へとたどり着いていく「愛と勇気の物語」として描かれている。
 この作品は、戦争や不安に揺れ動く時代の中で、信念や夢を見失わず、二人が支え合いながら少しずつ未来を切り開いていく姿が胸に響く。のぶの「何が正しいかを自分で見極めたい」とする強い意志には、時代を超えて共感できる力強さがあるし、貧しくとも明るく笑い合う二人の生活は、幸福とは何かを問いかけてくるようだ。
 また、“逆転しない正義”というテーマがアンパンマンの根底にある精神と重なり、純粋な正しさや思いやりとは何かを考えさせられる。嵩が漫画家としての自分に葛藤する姿や、のぶがその背中をそっと押す様子には、温かな愛情と現実の厳しさが交錯していて、見応えがある。
 実在モデルの物語をベースにしながら、創作ならではのドラマティックな展開や登場人物たちの個性も巧みに描かれており、誰かを信じることの大切さ、自分の道を前向きに選ぶ勇気、そしてその先にある小さな希望を感じさせてくれる作品だと思った。胸にじんわり染み入る、信頼と希望に満ちた物語だ。

■主な出演者の似顔絵集⇒http://www.ainet21.com/nigaoe.htm
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