昨日の午後、歯医者で治療の為に診察室の椅子を倒されて口を開けている時に、先生が「先に電話に出て下さい」と言った。
「えっ?」と思いながら身体を起こすと、足元の収納ボックスの中からスマホの呼び出し音が鳴っていた。
滅多に電話が掛かってこないのでマナーモードにしていなかったが、「まさかこんな時に掛かるか」と思いながらセカンドバッグの中からスマホを取り出した。
声の主は東大阪市在住の兄で、暗い声で「妻の〇子が亡くなった」との悲しい知らせだった。
突然の訃報に驚きと共に返す言葉を失ったが、とりあえずお悔やみを告げてから「今、歯医者で治療中なので帰宅してから電話をする」と言って切った。
帰宅後の電話で、当初兄嫁は、ホテルで隔離生活を送っていたが基礎疾患を有していたので途中から病院に移されたとか。
7日前に「私がNHKのテレビに出るから」と電話をした時に、家族4人がコロナを罹患してホテル隔離中を知ったのだが、私のテレビを見て元気になって欲しいと激励した。
番組はコロナに負けないオリジナルの曲に乗せてのパフォーマンスだったが、その感想を聞く事もなく、そのコロナに命を奪われ不帰の人となった。
遺体は今日、病院から斎場に運ばれ火葬されて骨壺で帰ってくるとか。最愛の妻を見舞う事も看取る事も葬式も出来ず、さぞかし兄は無念であったろう。
私の妻も基礎疾患を持っているので不安の毎日だし、私も今年に入ってコロナで殆ど仕事が出来ず先行きが不安。「コロナさえなかったら」と思うと、コロナ憎し!の思いが込み上げる。
優しい心根の娘でさえも、きっと冥土でコロナを憎らしく思っている事だろう。
#エッセイ #憎きコロナ!! #チャレン爺有村 #有村正
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