7月7日


 病院の談話室の片隅にきれいな短冊で彩られた笹が飾られていた。
 「あ、明日は7月7日、七夕の日や」
 その昔、我が家でも飾っていたが、私が子供の頃だったので、短冊に何を書いのたか覚えていない。
 娘の短冊も見た事があるが、かなり以前の事なのでどんな事を書いのたかを忘れてしまった。
 でも夢のある事を書いた様な気がする。子供だったので短冊に願い事を書けば必ず叶うと信じていたから。
 あの頃は希望に満ちていたが、この歳になると夢は薄らいでくる。
 しかし残された人生を有効に生きようと私なりの目標を定めて色々な事にチャレンジしている。
 やりたい事をして後悔のない人生を送り、最期に「エエ人生やった」と思ってこの世を去りたいから。
 逝く日は7月7日にしたいと思っているので、その時は彦星さん、織姫さん、どうぞ宜しくね。
 また天国の瞳、その時まで待っててな。

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