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ポートレート (16/10//1)
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今日も一日が終わりました
悔いなのない時を過ごせたか
ベッドに横たわり一日を振り返る
いつもと同じ様でも少しは違う
小さなことや、小さな言葉
その日によって意味がある
ご飯が美味しく食べれたか
妻と穏やかに過ごせたか
仕事は上手くいったのか
ベッドに横たわり一日を振り返る

視線の先に
壁際の君のポートレート
近所の写真館で撮った新1年生の記念写真
つぶらな瞳が微笑んで
希望に満ちて輝いている
明るい笑顔の君を見ていると
疲れた心が癒される
当たり前と思えることでも、幸せと感じる
「ありがとう」と君に感謝
「おやすみ」
明日も良い日になるよう願う


噂はついに醜く歪んで 元の形 留めず 散らばるの 
カーテンが飲んだ煙と青さを 見せびらかす事が情けない
もうどうしよう こんなの誰にも見せられないや
おしまい 見据えて ほら 
呆(とぼ)けた素振りが気に入らないなら 
それはきっと気にし過ぎでしょう
そんな心は捨て去って
置き去りのポートレートだって 今頃はきっと泣いてるわ
滲んだ水彩 飲干して頂戴
強がりの今日に彷徨って 惰性に塗れてゆらゆらと
足取りは決して軽やかではないけれど
常識はついに容易く汚され 今を濁る笑顔で誤魔化した
論点がずれた 意味のない会話をすることなど なんてくだらない
もうどうして こんなにつまらない事しかないの
自分のせいなのかな
望んだ末路が気に入らないなら 
それはきっと仕方ないでしょ
過去の自分は消えないさ
食べかけのチョコレートなんて 今頃あったって知らないわ
並べた悪戯 月並みの描写
意地悪な声に擦り寄って 自分を繕って何になるの
惨めな自分はとても見れたものじゃないや
言葉なぞって そしたら形はおしまいなんだろう
「酷い表情(かお)だ」って見えないの 
今 こうやって 今 こうやって 異見を隠して
もうポートレートの君はいないけど
ほら こうやって また こうやって 自分を騙せたら
それはきっと思い上がりでしょう 
そんな自分はいらないや
置き去りのポートレートだって 今頃はきっと泣いてるわ 
滲んだ水彩 飲干して頂戴
強がりの今日に彷徨って 惰性に塗れてゆらゆらと
足取りは決して軽やかではないけれど それでもあたしはあたしなの
有る
ポートレイト
ふと思い出した
昔の少し誇張された
思い出の断片 つなぎ合わせても
私の理想としてる現実は現れない
ただ思い出に ひたりたいだけ
そんな時があってもいいでしょ
死ぬまでに 少しでも多くの
印象的な思い出を
頭の中のカメラでポートレイトしたいんだ
それらをアルバムにまとめて
天国へ持って行く
別に みんなの1番にならなくてもいいんだ
別に 「良い人生だったで賞」みたいな
プライズを獲らなくてもいいんだ
別に また生き返れるとしたら
どこかの国の王女様になれなくてもいいんだ
ただ ふと1人になって
物思いに耽る時
嫌な思い出や
悲しい思い出ばかりはイヤなんだ
空想世界を旅行して
胸をときめかせるだけっていうのはイヤなんだ
ふと 思い出した
大嫌いなはずの あの人との思い出
一緒に遊園地に行った思い出
クールに装ってたけど
ほんとはけっこう楽しかった思い出
私の中で消えてた あの人が
徐々に現れる
まずは点線になって
フィギュアがなんとなく姿を現す
それから 線となって
色がついて
ほっぺに赤味が帯びてくる
消しても消しても現れる
しばらくたって
もう ほとぼりが冷めたかな?と思って
また現れる
私の中の 彷徨えるゴーストだ
元気にしてますか?
私はまあまあやってるよ
でも最近 魔法が効かないんだ
だから あなたが現れる
くっきりはっきり よみがえる
けど 少し遠慮気味に笑うんだ
そしてこういう
「どこか行きたいとこはある?」