【鳥】
●字典
秋沙(あいさ)=カモ目カモ科アイサ族の総称。くちばしは細長く、先がかぎ状に曲がる。潜水が巧みで、魚や水生昆虫を捕食する。日本にはウミアイサ・カワアイサ・ミコアイサの三種が冬鳥として渡来する。カワアイサ・ミコアイサは北海道で少数が繁殖する。アイサガモ。アキサ。アキサガモ。
悦哉(えっさい)=タカ目の鳥、ツミの雄の呼称。
郭公(かっこう)=《鳴き声から》カッコウ目カッコウ科の鳥。全長28〜35cm位。全体に灰色で、腹に黒い横斑がある。アジア東部で繁殖し、冬は東南アジアに渡る。日本には初夏に渡来し、高原などでみられる。自分では巣を作らず、モズ・ホオジロなどの巣に托卵する。ひなは早く孵化(ふか)し、仮親の卵を巣の外へ放り出す習性がある。閑古鳥(かんこどり)。合法鳥(がっぽうどり)。かっこうどり。キョキョキョと鋭く鳴き、「てっぺんかけたか」「ほぞんかけたか」「特許許可局」などと聞きなし、夜に鳴くこともある。自分の巣をもたず、ウグイス・ミソサザイなどの巣に托卵する。古くから春のウグイス、秋の雁(かり)とともに和歌に詠まれ、また冥土に往来する鳥ともいわれた。別名が多く、文目鳥(あやめどり)・妹背鳥(いもせどり)・黄昏鳥(たそがれどり)・偶鳥(たまさかどり)・卯月鳥(うづきどり)・早苗鳥・勧農鳥(かんのうちょう)・魂迎鳥(たまむかえどり)・死出田長(しでのたおさ)などがある。杜宇(とう)。蜀魂(しょっこん)。しき。とけん。《季 夏》
鶏(くだかけ)=ニワトリの古語で餌を欲しがるひよこに心をくだく・心をかける。
四十雀(しじゅうがら)=人家の近くに飛んで来る小鳥。スズメより少し小さくて、頭・のどは黒く、ほおと胸・腹が白くなっている。人に馴れやすい。保護鳥。しじゅうがら。〔シジュウカラ科〕
春鶯(しゅんおう)=春を告げるウグイス。
瑞鳥(ずいちょう)=鶴(ツル) ・ 鳳凰(ホウオウ) などの、 めでたい鳥。
伝書鳩(でんしょばと)=遠くの土地に通信文を運ばせるように訓練したハト。
東天紅(とうてんこう)=明け方の、ニワトリの鳴き声。ニワトリの一品種。鳴き方が長く美しい。高知県の原産。
鷂(はいたか)=〔「はしたか」の変化〕タカ狩りに使う、小さい雌のタカ。〔雄は「コノリ」と言う〕〔ワシタカ科〕
嘴太鴉(はしぶとがらす)=カラス科の鳥。全長五七センチくらい。全身黒色でくちばしが太い。ハシボソガラスとともに日本の一般的なカラス。山林や都市に多い。アジアに分布。やまがらす。
飛燕(ひえん)=「飛んでいるツバメ」の意の漢語的表現。
比翼の鳥=雌雄それぞれ目・翼が一つずつで常に一体になって飛ぶという、中国での想像上の鳥。〔男女の深い愛情の意にも用いられる〕
雛(ひよこ)=鳥(鶏)の子。ひな。まだ一人前になっていない人間。ひよっこ。
風鳥(ふうちょう)=⇒極楽鳥=ニューギニアなどにすむ小鳥。種類が多く、雄の羽は どれも美しい。〔フウチョウ科〕
フェザー(feather)=鳥の羽。フェザータッチ=羽のように軽い感じ。
鷦鷯(みそさざい)=山中の水べにすむ、小鳥。全身こげ茶色で、忙しそうに絶えずからだを動かす。鳴き声が美しい。〔ミソサザイ科〕

●作例
郭公や眠りの浅き旅の宿/誓子」「郭公大竹藪をもる月夜/芭蕉」
小鳥がちゅんちゅんと声を降らす。 神社のハトが豆をついばむ。 飛燕の早業。  

【詩歌用語】
≪鳥≫
「鳥」水鳥。海鳥。野鳥。探鳥。愛鳥。親鳥。小鳥。親子鳥。旅鳥。渡り鳥。留鳥。迷鳥。漂鳥。色鳥。小鳥。寒鳥。夏鳥。冬鳥。夜鳥。羽濡鳥。羽抜鳥。巣立鳥。寝鳥。浮寝鳥。巣鳥。水禽。野禽。家禽。寒禽。春禽。禽鳥。冠毛。羽毛。羽根。尾羽。換毛。夏毛。冬毛。嘴。鳥目。
「鳥巣」古巣。浮巣。巣箱。藁巣。営巣期。鳥交り。羽交い。巣作り。抱卵。巣籠り。草籠り。浮寝。巣立。
「鳥籠」庭籠。禽舎。籠洗う。給餌台。擦り餌。生き餌。蒔き餌。鳥笛。鳥寄せ。餌付。小鳥網。霞網。囮籠。囮守。鳥屋。鳥屋師。鳥屋場。鳥屋道。小鳥狩。
「鳥翔つ」鳥移り。鳥落つ。嘴争い。枝移り。枝伝う。羽づかい。羽掻き。羽休め。羽繕い。羽づく。羽博つ。羽音。翼。双翼。一翼。飛鳥。飛ぶ鳥。鳥渡る。鳥帰る。鳥雲に。鳥曇。鳥の群。鳥影。
「囀」地鳴き。初音。笹鳴。笹子。遠音。高鳴。鳥語。鳴移る。鳴き渡る。鳴く。鳴く音。一声。鳥の声。

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