【見る】
●字典
遠見(えんけん)=遠くを見ること。遠望。とおみ。将来のことを見通すこと。遠くの眺め。遠景。能楽用語。遠くを見渡すしぐさをして、観客に遠景を想像させる演技。ある演技が間接的に何かを観客に想像させる効果。
座視・坐視(ざし)=―する。黙って見ているだけで、手出しをしないこと。
鳥瞰(ちょうかん)=[名]スル鳥が空から見おろすように、高い所から広い範囲を見おろすこと。また転じて、全体を大きく見渡すこと。俯瞰(ふかん)。「山頂から市街を―する」「日本経済を―する」
鳥瞰図=高所から地上を見おろしたように描いた図。市街・地形などを説明的に描くのに適する。鳥目絵(とりめえ)。俯瞰(ふかん)図。
鳥瞰的=―な。見おろすような様子。 。
遠見(とおみ)=遠くを見渡すこと。遠くから見ること。高い所にのぼって遠方を見張ること。また、その人。歌舞伎の大道具で、遠景を描いた背景。歌舞伎の演出で、ある役の遠方での演技を見せるため、同じ扮装(ふんそう)をした子役を登場させるもの。「遠見検見(けみ)」の略。
俯瞰(ふかん)=[名]スル高い所から見下ろし眺めること。鳥瞰。
俯瞰撮影(ふかんさつえい)=被写体を上から見下ろした角度で撮る撮影。
睥睨(へいげい)=―する。〔「睥」も「睨」も、横目で見る意〕じっと観察しながら、相手の出方を見ること。〔監視・威圧の意に用いるのは、誤用〕。天下を睥睨する=情報を分析しながら、すき有らば乗り出そうとねらう。
望遠(ぼうえん)=遠くを見ること。
瞠る・見張る(みはる)=[動ラ五(四)]@目を大きくあけてよく見る。目を―・る。目を―・るばかりの上達ぶりA注意して見る。警戒する。番をする。門を―・る。侵入者を―・る。


●作例
「かの滋藤(しげふぢ)漫々たる海上遠見して/平家・五」
「大利の基いをひらくの理だから、落付いて遠見すべし/魯文・西洋道中膝栗毛」
「万山いちじろき遠見は/九位」
「無上の上手は…舞歌の風義の遠見現はるる所にて/花鏡」
峠から村落の灯を遠見する 遠見のきく展望台。 遠見にはきれいに見える。 ビルの屋上から市内を俯瞰する 。 

【詩歌用語】
「見る」むる。見ゆ。見しと。見かける。相見て。見返す。見向く。見置く。見がてら。見つめる。熟視。見入る。見守る。見尽す。見届ける。見学。見物。一見。物見。立見。脇見。他見。垣間見。覗く。覗見。窺う。見過ぐ。見残す。見流す。見損う。見棄る。見紛う。見洩す。見落す。見逃す。見失う。見放す。見忘れ。見えず。見え隠れ。見え分かぬ。見分く。見辛い。見難し。見苦し。見覚え。見知り。見習う。見易し。見映え。見どころ。見真似。とみかうみ。
「視線」視野。視力。凝視。敵視。直視。注視。座視。透視。視界。
「遠方」遠見。遥か。遥々。はるけし。見はるかす。見渡す。見下ろす。見上ぐる。見通す。一望。展望。眺望。眺め渡す。眺め。眺めやる。眺め入る。


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