【腰】
●字典
腰(こし)= [名]人体で、骨盤のある部分。脊椎が骨盤とつながっている部分で、上半身を屈曲・回転できるところ。腰部(ようぶ)。
裳(も)や袴(はかま)などのあたる部分。また、そのあたりに結ぶひも。 物の腰部に相当する部分。中ほどより少し下部。壁や建具の下部。器具の下部。また、器具を支える台や脚。山の中腹より下の方。兜(かぶと)の鉢の下部につける帯状の金具。和歌の第三句。
餅(もち)・粉などの粘り・弾力。紙・布などのしなやかで破れにくい性質。 (他の語の下に付き、「…ごし」と濁って)何かをする際の姿勢・構え。
腰が重い=なかなか行動を起こさない。なかなかその気にならない。
腰が軽い=気軽に立ち働く。軽率に行動する。
腰が砕ける=腰の安定を失う。腰の力が抜ける。気力を失って中途で挫折する。腰くだけになる。
腰が据わる=落ち着いて物事をする。
腰が高い=腰の位置が高い。相撲などで、腰のすわりが不安定である。腰高である。横柄である。尊大である。頭(ず)が高い。
腰が立たない=座り込んだままで、立とうとしても立ち上がることができない。
腰が強い=腰の力が強い。気が強く、なかなかくじけない。粘り気、弾力性に富む。腰がある。
腰が抜ける=腰に力がなくなって立つことができない。驚きのあまり足腰が立たなくなる。意気地がなくなる。気力がくじける。
腰が入る=腰が安定している。本気で物事に取り組む。
腰が低い=腰の位置が低い。高ぶらないさま。謙遜なさま。
腰が弱い=腰の力が弱い。意気地がない。弱気である。粘り気、弾力性がない。
腰に梓(あずさ)の弓を張る=老人の腰が曲がっているさまにいう。
腰を上げる=座った姿勢から立ち上がる。ようやくあることにとりかかる。
腰を入れる=腰を安定させる。あることを本気になってやる。真剣に取り組む。本腰を入れる。身を入れる。
腰を浮かす=立ち上がろうとして腰を少し上げる。
腰を落ち着ける=ある場所に落ち着く。安住する。落ち着いて物事を行う。腰をすえる。
腰を折る=腰をかがめる。体を前に曲げる。中途で妨げる。勢いをくじく。頭を下げる。屈服する。
腰を屈(かが)める=体を前に曲げる。会釈する。
腰を掛ける=椅子などにすわる。こしかける。
腰を据える=どっかりとすわり込む。すっかり落ち着く。一つの事に全力を集中させる。
腰を抜かす=腰に力が入らず立てなくなる。非常に驚く。あまり驚いて足腰が立たなくなる。
腰を割る=相撲で、両足を開き膝を曲げ、腰を低くした姿勢をとる。
●作例
腰が曲がる。 腰をおろす。 けんか腰。 及び腰。 山の腰を巡る道。
【詩歌用語】
「腰」小腰。腰付き。ヒップ。腰部。腰肢(ようし)。柳腰(やなぎごし)。細腰(ほそごし)。弱腰。柳腰(りゅうよう)。細腰(さいよう)。繊腰。
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