【被る】
●字典
被る・冠る(かぶる)=[動ラ五(四)]《「かがふる」の音変化形「かうぶる」からさらに変化した形》1 頭や顔などにそれを覆うものを載せる。また、全体をすっぽり覆う。頭からからだ全体にかけて受ける。水・ほこりなどを浴びる。本来は引き受けなくて済むものを、身に受ける。こうむる。しょいこむ。写真で、現像過程の失敗、露出過度やフィルムの欠陥などのため、フィルムや印画紙の画面が曇ってぼやける。 《帰り客が総立ちになりほこりが立つため、手ぬぐいをかぶったところから》芝居・寄席などが終わる。はねる。
被る・蒙る(こうむる)=[動ラ五(四)]《「こうぶる」の音変化》 他人から、行為や恩恵などを受ける。いただく。災いなどを身に受ける。頭からかぶる。
引っ被る(ひっかぶる)= 勢いよく、上からおおう。また、水などを頭からかぶる。本来は他人が引き受けるべき仕事や責任などを、自分の身に引き受ける。
深深と(ふかぶかと)=(副)深さが並なみではないという事を表わす。〔ゆったりと深く〕―腰掛ける。〔耳まですっぽり入るくらい深く〕かぶる帽子。〔腰を折って丁重に〕―頭を下げる。〔心の底からしみじみと〕―味わう。
ベレー(フ beret)=〔ベレー帽〕ハンチングからひさしを取ったような形の帽子。〔柔らかい布などで作り、いわゆる芸術家が好んでかぶった〕

●作例
「罪人をして、熊皮をらしめ/竜渓・経国美談」
帽子を被る。 面を被る。 毛布を被って寝る。  水を被る。 火の粉を被る。 人の罪を被る。 不況のあおりを被る。 この写真は被っている。 芝居が被る。 格別の恩顧を被る。 被害を被る。 
布団を引っ被る。 水を引っ被る。 責任をすべて引っ被る。 
深深と礼をする。

【詩歌用語】
「被る」損害を被る。非難を被る。受ける。負う。降り掛かる。喫する。罹災。被災。遭難。受難。蒙る。恩情を蒙る。知遇を蒙る。


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