【雨】
●字典
卯の花腐し(うのはなくたし)=卯の花を腐らせるほどに降る「五月雨」の異称。季語としては「花の雨」と「五月雨」との間。《季 夏》
喜雨(きう)=夏の土用の頃、日照りが続いているときに降る雨。雨(あま)喜び。慈雨(じう)。《季 夏》
地雨(じあめ)=同じ強さで しばらくの間降り続く雨。
糸雨(しう)=糸のような細い雨。細雨(さいう)。霧雨(きりさ)。
驟雨(しゅうう)=急にどっと降りだして、しばらくするとやんでしまう雨。にわか雨。夕立。《季 夏》
秋霖(しゅうりん)=秋の初めに降りつづく雨。秋の長雨。秋雨(あきさめ)。《季 秋》
日照り雨・戯へ(そばえ)=日照り雨。日が照っているのに降る雨。きつねのよめいり。
糠雨(ぬかあめ)=傘をさしてもぬれそぼつ細かい雨。
梅雨(ばいう)=六月から七月上旬にかけて、北海道を除く本邦一帯に続く長雨。つゆ。さみだれ。
微雨(びう)=「こさめ」の意の漢語的表現。
氷雨(ひさめ)=〔雅〕あられ。雹(ヒヨウ)。〔秋の〕冷たい雨。
日照り雨=日が照っているのに降る雨。きつねのよめいり。
霏々(ひひ)=雪や雨が絶え間なく降るさま。物事が絶え間なく続くさま。
風雨(ふうう)=風と雨。強い風を伴う雨。
猛雨(もうう)=激しく降る雨。
雷雨(らいう)=雷が鳴り雨が降ること。 雷鳴に伴って降る雨。

●作例
「さす傘も卯の花腐しもちおもり/万太郎」「地下鉄道驟雨に濡れし人乗り来る/誓子」。
時雨しければ、ばらばらの日照り雨や神の留守見舞/西国船」。
霏々として秋雨が降る。 風雨にさらされる。
春は春雨,菜種梅雨、花の雨。夏は卯の花腐(くた)し、五月雨。
秋は秋雨、秋霖、秋の長雨。冬は時雨、氷雨、寒の雨
傘の上で霰がパラパラと喜んで踊っている  やさしい雨の音  雨で銀色にけむる街。 雨はそぼ降る。

【詩歌用語】
≪雨≫
「雨」小雨。細雨。糸雨。糠雨。小糠雨。霧雨。煙雨。大雨。豪雨。驟雨。急雨。沛雨。村雨。快雨。朝雨。暮雨。夜雨。俄雨。狐雨。日照雨(そばえ)。疎雨。山雨。降雨。風雨。春雨。五月雨。暖雨。涼雨。秋雨。寒雨。氷雨。御降。祈雨。慈雨。喜雨。長雨。霖雨。春霖。秋霖。雨季。
「雨催」雨模様。雨意。雨気。雨情。雨粒。雨滴。雨垂れ。雨脚。雨襖。雨簾。雨音。雨声。雨呼ぶ。雨兆す。雨しとど。雨走る。雨激し。雨太し。雨煙る。吹き降り。片濡れ。ずぶ濡れ。濡れそぼつ。雨降り。偏降り。本降り。そぼつ。そぼ降る。降りしきる。降りこむ。降り注ぐ。降り荒る。沛然。降り晴れ。雨上り。雨止む。雨侘し。雨水。雨間。雨夜。雨湿。雨後。返り雨。雨溜めて。
「雨青し」翠雨。緑雨。藤の雨。著莪の雨。若葉雨。木の芽雨。杉の雨。
「雨籠り」雨宿り。雨宿。雨除け。雨漏。雨簷。雨庇。雨戸。雨樋。縄樋。鎖樋。雨具。雨衣。雨合羽。雨傘。雨乞。雨安居。雨占。雨男。雨女。
「時雨」初時雨。春時雨。秋時雨。朝時雨。夕時雨。宵時雨。小夜時雨。村時雨。片時雨。横時雨。北時雨。磯時雨。沖時雨。時雨空。時雨雲。時雨冷。時雨心地。時雨風。時雨亭。時雨茶屋。時雨傘。
「梅雨」菜種梅雨。走梅雨。梅雨きざす。入梅。ついり。黴雨。荒梅雨。青梅雨。旱梅雨。空梅雨。迎え梅雨。送り梅雨。戻り梅雨。返り梅雨。梅雨寒。梅雨冷。梅雨じめり。梅天。梅雨空。梅雨雲。梅雨曇。梅雨晴間。梅雨月夜。梅雨の闇。梅雨の雷。梅雨夕焼。梅雨出水。梅雨籠り。梅雨の隙。梅雨の灯。梅雨苔。梅雨稲穂。梅雨深し。梅雨久し。梅雨晴。梅雨明け。
「夕立」白雨。夜立。夕立空。夕立雲。夕立風。夕立前。夕立後。夕立晴。

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